作業服、と言われるものは基本的には男性が工事現場や工場などで使用する制服のことと思われがちです。また、女性用の作業服というと、以前は事務服と呼ばれていたブルーやグレーのスモック的な上着のことを指していました。しかし現在の職業の多様化に伴って、さまざまな「現場」に女性が進出するようになって、作業服も新たな発展を遂げてきています。まずサイズ展開ですが、以前は男性用の製品の小さいサイズを用いることが多かったのが、きちんと女性の体形に合わせて製品を作るようになり、仕事中の動作ストレスが軽減しています。

立ったり座ったり、物を持ったりという動作についても、デザインの研究や素材のストレッチ性の向上によって膝やお尻回りが突っ張るような違和感がなかったり、ものを引っかけたりする心配もなく、着崩れずに適度に体にフィットするというのはとても大切なことなのです。さらに、ポケットの位置や数、袖口の形状など、女性ならではの細かい気配りが反映されたデザインや、スカートやパンツの選択肢の多彩さ、周囲に溶け込む明るい色遣いなどのファッション性は、これまでの実用性・安全性のみを追求してきた男性用作業服の業界には見られないものでした。そんな男性用についても、その進化の余波を受けて意識が変わってきているのも良い傾向でしょう。それを着て仕事するのが楽しい、というモチベーションの向上につながる、そんな「仕事ファッション」としての作業服の発展はとても好ましいことなのです。

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